読書『 人間であること』時実 利彦

人間であること (岩波新書)  – 1970/3/20時実 利彦 (著)

著者は脳生理学専攻らしい。脳とか神経細胞という生物学から人間というものを明らかにしている。

~オオカミ少女のように、オオカミに育てられるとオオカミの配線になるあらゆる可能性のあることを指摘しているのであって、赤ん坊が極めて未熟な脳を持って生まれてくるからである。だから私たち人間は、「教育されなければならない動物」である。私たち人間が、親として、教師として、先輩として、赤ん坊や児童や後輩を保育し、教育し、指導し、またお互いに訓練している所以である。~

赤ん坊はまだ人間ではない。赤ん坊は人間にもオオカミにもなりうるという事だ。赤ん坊が人間として育つように、保育や教育が必要なのだ。そして私も人間である。だから教育されねばならない。でも「俺を教育してくれ」なんていうのは恥ずかしいから、自分で学び続けなければならない。こうしてブログを書くこともその一つだ。学ぶこと、成長することをあきらめてはいけないとつくづく思う。

~教育の目的は人間形成であるから、神経細胞を人間としての精神を持ち、人間としての行動ができるようにさせることである。従って神経細胞の配線の過程である脳の発達に即した育成がなされるところに、保育、教育の科学性があるはずだ。~

私などはただ決められたことを教えるばかりで教育の科学性など考えたことがないな。まずは、目の前の子どもをよく見ることをしなくてはならない。