読書9‐13『現代語訳 学問のすすめ』Ⅴ

独立の気概が愛国心の高まりとなった

朝から一日ぐずついた天気。気温も上がらず久しぶりに長袖で過ごした。子どもを指導するのに思うようにならない壁にぶち当たる。そんな時は人が変わるのが一つの方法だ。同僚の様子を見て、這いまわっていたので、しゃしゃり出る。

~外国に対して自国を守るにあたって、その国の人間に独立の気概がある場合は国を思う気持ちも深く強くなる。~

独立していると、国を深く強く思えるようになると。明治の頃のことだ、日本もまた二等国。一歩間違えれば植民地になりかねなかったのだろう。強い国を作るには、国民一人ひとりが独り立ちしていなければならない。

~今の世に生まれていやしくも国を愛する気持ちがあるものは、政府、民間を問わず、まず自分自身が独立するように努め、余力があったら他人の独立を助けるべきだ。父兄は子弟に独立を教え、教師は生徒に独立を勧め、士農工商みなが独立して国を守らなければならない。~

子どもを独り立ちさせるために、学校があり、教師がいる。おそらく、「強い国を作るためには個人が独立していなくてはならない、そのためには学ぶことが必要だ」というのが本書の趣旨だと思うが、現代版「学問のすすめ」があるとしたら、どうなるだろうか。今、「国を守らねば」と大っぴらに表現しても、なかなか受け入れられないだろう。国を守る、国を強くする、という大きな理想があったからこそ、教育が浸透したのだ。(R6.4/24記)