読書『デッドライン仕事術』Ⅱ

効率化に対して、残業に対して、まさに目からうろこ状態。感動しながら読んだことを思い出している。

~日本のホワイトカラーは不要な仕事をやることで時間を浪費している。集中して仕事をしていない。本当に必要な仕事だけを脇目もふらずにこなせるような環境を作れば、業務はかなり効率化されるだろう。~

「脇目もふらず」というのが大切だ。かつての職場では、時間無制限に、だらだらと仕事をして遅くに帰っていた。時間を浪費しているという感覚もなかった。いい先生になろうと、いい授業をしようと、仕事をすることに酔っていた気がする。

~残業というのは正式な言葉を使えば「時間外労働」である。いわば、もう試験時間の終了を告げるチャイムが鳴っているのに、机にしがみついて答案を書き続けているようなものだ。「時間外」という以上、それはルール上の例外のようなものであって、本来は「時間内」ですべてを片付けなければいけない。つまり本来は「能力」と同様、「時間」も一定なのだ。~

この文こそ、ボロボロとうろこがこぼれ落ちる。残業をする者を的確に形容している。私も子どもにテストをするが、時間が来たら有無を言わさず回収し、採点、評価をする。それと同じではないか。我々も勤務時間終了まで精一杯仕事をして、できようとできまいと、それを評価されればいいではないか。時間いっぱいまじめに全力で仕事をしている者をそう容易に解雇できないし、よい評価を得ようとも思わない。そもそも仕事が終わらないのは使用者の設定する業務量が多いということなのだ。

~使える時間は9時から5時までの8時間。それしか時間が無いと思えば、何とかしてやりくりするものだ。「効率が上がれば残業はなくなる」という発想では絶対に効率化は進まない。逆に「残業をなくせば効率が上がる」と考えるのがもっとも現実的な対処法。~

勤務時間が終了したら、使用者が労働者に退勤を命じればいい。やろうと思えばそれはできると思う。それをしないのは、結局使用者と労働者がなれ合っているのだ。