読書『禅の言葉に学ぶ ていねいな暮らしと美しい人生』(枡野俊明)

禅の言葉に学ぶ ていねいな暮らしと美しい人生 (朝日文庫) – 2012/11/7枡野俊明 (著)

著者は曹洞宗の寺の住職。『ニューズウィーク日本版』で「世界が尊敬する日本人100人」に選出されたと記されていた。

私も座禅を始めて3年目である。自分の生き方、考え方を見直そうと思って始めたところがある。「禅の言葉」というのはそれだけ惹かれるところがある。

~今自分は何のために仕事をしているのか。自分が生きている意味はどこにあるのか。そして誰のために生きているのか。そのことだけに心を寄せ、目の前のことに没頭することです。~

何のために、と聞かれたら、「生活のために」と答える。生きている意味は、誰のために、と聞かれたら、「家族を中心にした周囲の人に役立つこと」と答える。

~結果にばかりとらわれずに今あることに努力を惜しまない。そして見返りを求めない。そういう生き方を心がけていれば道は開けてくる。心からの努力は絶対にムダにはならない。~

思えば見返りばかり求めて働いていた。「いい先生と言われたい」がんばれば必ず夢が必ずかなえられると信じていた。

人が努力するのは、結果が欲しいからではないか。夢や理想があるから努力するのではないか。結果にとらわれずに努力を惜しまず見返りを求めないなんて、すごく難しいことだと思う。

今、仕事に関して、結果なんてどうでもいいと思っている。その時間、全力を尽くすだけである。だから努力をしているとは到底思わない。

~生があるから喜びや悲しみがある。生きているからこそ、悩みが生まれてくる。人間にもたらされるすべてのことは生きていればこそ。その素晴らしさに気づくこと。生きていることに感謝することです。~

感謝の心の大切さ。ついつい忘れてしまう。それは外から与えられるものではない。生が素晴らしいと思えなければ感謝も生まれないのだ。喜びも、悲しみも、素晴らしいと思うこと、その境地に立てるだろうか。