読書『 人間であること』Ⅲ

心の連帯という言葉に惹かれる。目の前の子どもたちとの連帯がなくてはならないとは思っている。

~集団欲をかなえる一番基本的、効果的な手段は肌のふれあい、スキンシップである。百万言を使うよりも、どんな視聴覚の方法よりも、より効果的に、お互いの心を一体化し、心の連帯を文句なしに作ってくれることは、日常の生活体験で知っている。~

「スキンシップ」なんと懐かしい言葉であろうか。スキンシップというのは危険を孕む行為になってしまった。暴力、わいせつ行為など教員の不祥事が問題になっている。こちらがどんなにスキンシップをしても誤解を生みかねないのだ。そしてさらにコロナ感染予防としてスキンシップなどは禁止行為とされている。コロナだから仕方ないのだが、子どもの集団欲は満たされていないということだ。

~子どもを教育するにしても教えられる子どもと教える教師との間で、心の連帯がなければその効果は期待できない。話してもわからない小学校の低学年の子どもたちに、手をかけている所以である。手を取って教え、手塩にかけて鍛えるというのは言葉のあやではない。~

つい自分も「言って聞かせる」方に重きを置いてしまうのだが、本当はそうではないのだ。50年前の低学年ですら話してもわからないのだ。もっと私は「手をかける、手を取る、手塩にかける」ことを意識せねばなるまい。