読書『 自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』Ⅲ

筆者は2種類の心の強さを唱えている。

~心の強さには2種類ある。「子供の心の強さ」と「大人の心の強さ」だ。「我慢する」「あきらめない」など自分に対する評価は厳しくあることを求められ、簡単に今の自分に満足してはならない。これらが「子供の心の強さ」の中核をなしている。~

「人には優しく、自分に厳しく」というフレーズがあった。子どもを前にしていると、「我慢しろ」「あきらめるな」という叱咤激励のオンパレードだ。子どもに言い続けるあまり、知らぬ間に自分にもそれを要求してしまうのだろうか。

~一方、大人になると少し違うタイプの心の強さが必要になる。「大人の心の強さ」だ。大人は体力、知力の飛躍的な伸びはない。今の自分を愛し、認め、上手に使いこなす能力が必要になる。状況に応じて柔軟に考え、バランスを取る。これらをこなせるのが「大人の心の強さ」~

正直ずっと「頑張る自分」「夢を追う自分」が好きだった。それに酔っていた自分がいた。「今の自分」なんて好きになったことがない。私には「大人の心の強さ」がなかったのだ。もうずっと前から体力、知力、能力は頭打ちだったのに、気力で乗り切ろうとしていたのだ。

~大人の社会でムリを溜めやすいのは、子どもの心の強さが強すぎる人たちだ。疲労、回復の収支が悪化しているのに、以前の自分のイメージ(頑張ればやれる自分)から抜け出せず、どうしても過剰活動を止められない。~

もう今こそ、「大人の心の強さ」を身につけるべきだ。というより、「子供の心の強さ」から縁を切る時なのだ。