読書『衆愚の時代』(楡 周平)


衆愚の時代 (新潮新書) – 2010/3/1 楡 周平 (著)

商品の説明には『誰も本当のことを言わないのなら私が言おう、社会人なら心得ておくべき「当然の常識」を。思わず溜飲の下がる、衆愚の時代への鉄槌。』とある。評価はわりと厳しい。

~個人がとる行動も、言動も、社会規範から外れてはならない。他人に迷惑をかけてはならない。つまり自らの行動に責任を持ち、社会の一般常識から逸脱しない範囲において好きに振る舞うことが許される。自らを律する能力のある人間であって、初めて行使できる権利。それが自由なのです。~

自分の置かれている立場を鑑みず自由を主張するものが多いということか。

以下は、就職難、非正規雇用の増大に対しての意見だろう。

~使いたい、ウチで働いてほしいという人材がいないのです。自分の欲求を押し通す人間ばかりで周囲との調和をどう図るかが分からない。~

もう私は「こだわり」を捨ててしまったので欲求を押し通すなんてことはしない。ただ

周囲との調和を図ることにもこだわらなくなってしまった。

~組織に身を置くと決めた以上は、与えられた仕事の中に熱意を以て取り組めるものを探す。最初は不本意に思える業務でも少しでも効率よくしようとすれば、やれることは必ずある。改善できる点は多々存在するものです。~

「与えられた仕事」というのは、前回までの『瞬間の心理学』にもよく出てきた。つべこべ言わず与えられた仕事をまずこなせということか。もしかしたら、我々に最も欠けているのは「組織の中の一員」という意識なのかもしれない。