読書『就職とは何か』Ⅵ

 

著者は以下のように訴えている。

~まともな労働時間とは、「健康的で、家庭に配慮し、男女平等を推進し、生産性を向上させ、労働者が自分の働く時間を選択できる労働時間」~

~まともな賃金とは、男女平等の、時間に応じて公平な、最低賃金を下回らない、残業手当に依存せずにすむ、生活ができる賃金である。~

~まともな雇用とは、働く権利が保障されていて、安定していて、失業給付や労災補償などの給付が受けられる雇用である。~

~まともな社会保障とは、病気、けが、出産、死亡、老齢、障害、失業などに対する公的給付から貧困に対する公的扶助、さらに保健医療や公衆衛生に至る広がりがある。~

最も身近な問題はやはり労働時間だろう。「健康的で、家庭に配慮」だけでもとても大切だ。しかし「健康的」=現在、病気ではない、「家庭に配慮」=平日は長時間労働で土曜か日曜に家族サービスできればいい、というのが一般的な感覚だと思う。

ちなみに、私の基準は「健康的」=ジョギングなど毎日30分以上の運動をし、睡眠は一日7時間以上とること、「家庭に配慮」=毎日、家事(夕食づくり、洗濯など)を進んで行うことだ。仕事よりも家庭や自分の生活を優先しているからこそだ。

解決策も挙げられている。

~解決の糸口は「サービス残業解消型のワークシェアリング」である。男性正社員を中心とする超長時間労働者と残業予備軍や女性パートタイム労働者を中心とする短時間労働者のあいだで仕事を分かち合うワークシェアリングを進めるしかない。~

組合も、予算をつけ雑務を処理する人員を雇うように働きかけてはいる。が、まじめな教員が不平不満も言わずにがんばって何とかしてしまっている状態では、実現は難しいだろう。