読書『ブラック企業』Ⅲ

~世界的に見れば異様な事態である。だが日本社会でこうしたことが認められてきた背景には、長時間残業と引き換えに「終身雇用」と「年功賃金」という手厚い待遇が用意されていたからだ。~

どこかの本で、「企業別組合」「終身雇用」「年功序列」が日本企業の特色だと書いてあった。わが国の労働者は終身雇用、年功賃金をニンジンにして、時間外労働をさせられてきたのだ。

何年も教職をしてきたのだが、特に中学に勤めていた時、こちらが保護者に「もっと自分の子どものことを見てあげてよ」と言いたくなることが何度もあった。朝、子どもを家から追い出すのではなく、励ましてあげてくれないかな、と思った。

長時間労働は、子育てというとても大切な営みをなおざりにする。本来家庭が行わなくてはならないしつけまで、学校現場に押しつけられる。それにより、ただでさえ忙しい学校も超長時間労働となる。

ブラック企業は氷山の一角。社会全体の多忙化が氷山全体を形作っているのだろう。ブラック企業だけをなんとかしようとしてもダメなんだと思う。