読書9‐11『がんばると迷惑な人』Ⅸ

効率性を高めるなら制約条件の設定が必須

給食が始まったが4時間授業。子どもが帰ったらすぐに会議。その後も年度当初の事務や打ち合わせで時間を費やす。いつの間にか休憩時間になる。一人になって読書をして過ごす。職員室の喧騒の中、仕事を積み残したまま、勤務終了時間に職場を出る。「明日、なんとかすればいい」

~我が国の社会や組織に特徴的なポリシーと言えば、全力主義と並んで「完璧主義」が挙げられます。事故にしても、ミスにしても、犯罪にしても、一定の確率で発生するものですから数が多くなればゼロにするなど不可能です。~

日本人の特質といえば「勤勉」。「勤勉」を突き詰めれば全力主義にも、完璧主義にもなるのであろう。それは勤勉の成れの果てだ。

~完璧を追究することのメリットとコストを天秤にかけるといった現実的合理的な考え方をしないのです。そのため事の軽重を判断し、仕事に優先順位をつけて一定の制約条件のなかで効率的にこなすこともできないのです。ですからどうでもよいところにも時間とエネルギーを費やす一方、大事なところが中途半端になる。~

「制約条件」を設定することは大切だ。私の場合でいえば勤務開始終了時間だ。どれだけ課せられた仕事があっても、勤務時間を超えることはできない。そうなれば絶対に仕事に優先順位を着けざるを得ない。例えば、私は週案を書かない。優先順位を着ければ、書くことを断念せざるを得ないのだ。定額働かせ放題なのがおかしいのだ。

~そもそも完璧を目指して頑張るというのは典型的な工業社会の発想です。完璧な仕事こそ機械やコンピュータが得意とするところなのです。だとしたら完璧が求められる仕事はできるかぎり機械やコンピューターに任せたらよいのです。~

コンピュータに任せられるものはどんどん任せていく。そういう意識がなくても、どんどん淘汰されていくのだろう。(R6.4/10記)