読書9‐11『がんばると迷惑な人』Ⅳ

成果主義はメンバーシップ型雇用に適さない

新年度2日目。今年はなぜか入学式・始業式が早い。明日にはもう準備のために新6年生が出校する。目の前に迫りくる課題をこなしていると、あっと言う間に勤務終了まで残り30分。それでもなんとかキリを着けて職場を出る。娘や孫が我が家に来る日なのだ。

~リストラと並行して行われた「成果主義」は労働力の質をかえって低下させてしまった。辞めていったのは、むしろ優秀な社員が多かったといわれています。~

優秀な社員がアジアの周辺国にヘッドハンティングされて、その国の経済を発展させ、我が国を脅かすようになったとか。

~個人の仕事が明確でない以上、客観的なプロセスで評価することも困難です。その結果、仕事の成果に加えて仕事へのインプット、すなわちどれだけがんばっているかという主観的な面も重視して評価されるようになりました。プロセスをがんばりで評価するという間違いを犯してしまったのです。~

「個人の仕事が明確でない」というのは我が国がメンバーシップ型雇用だということだろう。欧米のようなジョブ型雇用であれば、仕事も明確、評価も明確なのだ。だから「成果主義」の導入も問題はない。だが我が国はほとんどの仕事をチームで行っている。だから個人の力量がどれだけ成果につながっているかが不明確なのだ。不明確なのに評価せねばならない。そうすると、がんばりで評価することになる。

~何で差がつくかわからないので、とにもかくにも精一杯頑張る姿勢を常に示さなければならなくなったのです。~

「とにかくがんばれ」が前面にでれば、効率を追求しようとしなくなる。(R6.4/2記)