映画『夜明けのすべて』

ハンディの似た者同士支え合いそれぞれ抱える闇の深さを

夜明けのすべて 2024年2月9日公開-119分-ドラマ 監督 三宅唱 制作国 日本

仕事から帰りブログを書き、夕飯のおかずを作る。疲れていなくもなかったが、こんなチャンスもそうそうないと思い、代車で隣市のミニシアターに向かった。途中ドラッグストアに寄り、キャラメルポップコーンを購入。

その存在は知っていたけど、完全に見くびっていた。が、近年まれに見る高評価である。しかもレビュー数も多い。やはり、それなりの秀作なんだと思う。

まず、パニック障害PMSという問題を取り上げているということ。一見すると深刻そうでもない問題だが当の本人でなければその苦しみは分からない。自分も心療内科にお世話になったことがあるが、薬の服用まではなかった。あらためて障害を知ることができてよかった。そして、起伏が平坦なストーリーがいい。映像描写も含め、まるでドキュメンタリーかというほどだ。急かさずにたんたんと進み、抑揚の有無を、観る者に任せているスタンスなのだ。さらに役者の演技。どの人物も日常に上手く入り込んでいる。特に上白石のスナックを食べ終わるシーンには逆に衝撃を受けた。

恋愛映画ではないが、あの二人は離れ離れになった。だがきっとこれからも支え合うのだろうな。いやあの職場での人間関係は、永遠に続く。そう思わせる映画です。(R6.5/3記)