読書『アベノミクスの終焉』Ⅴ

過去を忘れた人が同じ失敗を繰り返す

今日も年休を取ったので一日休みである。だが普通に目覚め、いつも通りにジョギングや朝食を済ました。明日、明後日は娘家族の旅行に付き合わされるので、自由があるのは今日だけだ。

~創造的な仕事はルーティン化できない。こうした仕事にとって重要なのは内発的な動機付けであって「アメとムチ」ではない。ソニーでは経営改革の結果、かつてのウォークマンのような画期的な製品が生まれなくなったと言われている。それは理論通りとも言える。~

創造的な仕事から数々のヒット商品が生まれた。そこはきっと時間的、人員的にゆとりのある職場だっただろう。だが、そこには表面化していない多くのムダが存在していたのだろう。経営改革とはムダを省く改革である。ムダを省き、ゆとりもなくなり、創造性もなくなった。

アベノミクスはいざなみ景気と悪いところは同じであり、良いところでは遥かに及ばない。その意味でアベノミクスはいざなみ景気の劣化版だと言えよう。~

~いざなみ景気期には企業、特に製造業の大企業が好業績を上げていたにもかかわらず、賃金は停滞、もしくは低下していた。これは新自由主義ジームの下ではむしろ常態である。~

「いざなみ景気(2002年2月~2008年2月の73カ月間)は、いざなぎ景気を1年4カ月上回る景気拡大であり、好景気の恩恵が偏ったことと経済成長が緩やかであったことから豊かさを感じない好景気が特徴」とあった。

金融危機の記憶は速やかに忘れ去られる。記憶を忘れた人々は、新時代が到来したと信じ、過去の法則は現在には通用しないと考える。過去を忘れた人々が同じ失敗を繰り返しているのである。~

「そんな考えは古い」「旧態依然」と過去を批判しがちであるが、やはり過去から学ぶしかないということだ。(R6.3/29記)