読書『子ども格差』Ⅸ

教育が経済活動に組み込まれてしまっているのが、よくないのだ。

~今こそ、市場原理、競争原理主義的な「教育改革」をやめて、優しい心を育み、子どもと教師、保護者の信頼にもとづく地道な教育がのびやかに展開できるよう条件と環境整備にこそ力を注ぐべきなのです。~

優しい心を育んでいては、競争社会に生き残れないと思ってしまう自分がいる。自分が競争主義にどっぷりつかってしまっている。

~子どもにとって必要なのは、ともに涙し、動揺してくれる「人間」としての教師や親やの存在です。子どもたちは、矢継ぎ早の対応策など求めてはいません。優しい人間環境をこそ求めているのです。~

~「あいさつ運動」も「命の教育」も「心のノート」もやめたほうがいいのかもしれません。そうしたやり方よりは放課後に子どもとゆっくり語り、遊ぶことのできるゆとりの時間を設けた方が本来の目的に達しやすいように思われます。~

単元ごとにテストしているのなら、通知表の評価はやめよう。教える内容や教科をもっと精選しよう。授業は午前中だけでいい。午後からは、その子の好きなこと、興味あることを追求する時間にすればいい。いや、そうでなくても、「何もしない時間」「暇な時間」があってもいい。

~とにかく子どもたちに笑顔を取り戻させて、家族が心から笑い合える関係性を回復することを最優先すべきです。~

私の受け持ちの子どもたちは、どれだけ笑いあえているだろうか。私はまじめに取り組むことばかり求めてしまっている。その前に、子どもの前で笑顔で居られなくなっている。子どもを抑え込むことに注力してしまっている。

~大切なのはまず大人がしっかりと子どもの声に耳を傾けることです。声を聞いて理解しようとする大人が傍にいるだけで子どもは安心でき、元気になります。~

まず理解しようとすること。教え込もうとしないこと。説くのではなく問いかけること。かえってくる声を聞くこと。(R4.4/26記)