読書『アベノミクスの終焉』 ( 服部 茂幸)

非正規労働の給与はそんなに低いのか

アベノミクスの終焉 (岩波新書) 2014/8/20 服部 茂幸 (著) 

視写期間 2019年11月12日~16日 視写量 4p

久しぶりの祝日、悪天候の中、家人と登山に行く。雨が降っていたが、合羽を着て登山を始める。断続的な雨の中に時折日差しが覗く。どこまで行けるか分からなかったが、1時間近く歩き、ついに頂上へ。やはり山頂からの景色は特別なものがある。

アベノミクスの下で家計が苦境に陥っていることは、内閣府の「消費動向調査」を見ても分かる。今ではアベノミクスが始まる前よりも雇用を除く指標はすべて悪くなっている。雇用だけは相対的にまだましであるが、これも14年に入ると悪化し始めている。~

首相官邸のホームページには「すでに第1の矢と第2の矢は放たれ、アベノミクス効果もあって、株価、経済成長率、企業業績、雇用等、多くの経済指標は、著しい改善を見せています。また、アベノミクスの本丸となる「成長戦略」の施策が順次実行され、その効果も表れつつあります」と記されているが、実はそうではないのだ。

~日本では就業率は回復している。しかし雇用が拡大しているのは非正規労働である。日本の問題は非正規労働の待遇が圧倒的に悪いことにある。非正規労働の給与が正社員の半分以下、三分の一以下というようなことは珍しくない。~

非正規労働の雇用のみが拡大されている。給与が半分以下にできるなら、使用者は非正規労働をどんどん増やすだろうな。かくして不安定な身分の者が増え、将来に不安を覚え、未婚者も増え、少子化につながる。今頃になって岸田政権は「異次元の少子化対策」と言っている。もっと先を読むことはできなかったのか。(R6.3/20記)