読書9-2『新しい幸福論』(橘木 俊詔)

新しい幸福論 (岩波新書) 新書 – 2016/5/21 橘木 俊詔 (著)

視写期間2019年10月12日~20日 視写量11ページ

経済が成長するとは、労働が増えるということ

筆者は格差研究の第一人者とのこと。社会のさまざまな制度の問題点を指摘しつつ心豊かな人生をおくるために個々人と社会のあり方を提言するらしい。ちなみに視写量11ページというのは多い方である。書き留めておきたいフレーズが多い著書だということだ。

~日本では少子高齢化が急速に進行中である。これにより労働は不足し、家計の需要は減っていくので経済成長率が負にならざるを得ない。~

どこかで読んだのだが、我が国は、少子化問題を解決できる最後のタイミングを逃したのだそうだ。高校の無償化、二人目の子どもからは大学無償化などの噂を耳にするが、なぜ、もっと早く手を打てなかったのだろう。現総理も「異次元の少子化対策」だと言うが、もう完全に多様化、個性化の時代になってしまっている。

~今の安倍内閣は実質2%の成長経済を考えており、「一億総活躍社会」を謳って国民に働け、働けと煽っている。潜在的な成長率が負であっても、経営者や政治家は決して経済の衰退を口にしないことを知っておきたい。~

成長経済を諦めると国民から支持されなくなるということか。経済が成長することを望むということは、もっと忙しい社会になる、もっと働かなければならない社会になるということだ。本当にそんなことを望んでいるのだろうか。(R5.12/12記)