読書9-2『新しい幸福論』16

古い意識を捨てなければ新しい意識を持つことはできない

朝から座禅、そして組合活動、その後県外に出てアウトレットで買い物をする。その後、温泉施設にも立ち寄り、我ながらよく遊んだものだ。帰りには、雪がふぶいていた。まるで「そろそろ現実を見ろよ」と言うかのように。とりあえず冬用タイヤに履き替えておいてよかったと思う。

~「多くを、そして高くを望まない」は「高い期待心を持たない」ということと同義。日本がすでに成熟社会に入っているので、高成長を求めるとか、と言ったことは期待されていないし、その必要性もない。したがって、やたらに高い目標を掲げてそれに向けて皆ががんばることを要請することは成熟社会にふさわしくない。~

幸福になる、というのは考え方の転換なのかもしれない。まずは、より裕福になろう、高い地位を目指そう、という意識を捨てることが必要なのかもしれない。そういう意識を捨てなければ、新しい価値観を得ることはできないのだ。物質的な豊かさを求めても幸せになれるわけではないことはもうわかっている。だが、豊かさを求める意識を捨てないから、移行できないのだろう。

~日本はアメリカ型の自立依存か、それともヨーロッパ型の福祉国家に向かうかの岐路にいる。私の主張はヨーロッパ型の志向にあり、家族の絆の弱体化を福祉国家で補償する案である。~

やはり日本は福祉国家には向かわないようだ。福祉国家になるためには、税の高負担が必要だ。だが経済活性化を願う国民は減税を求め、政府も支持率を危惧して増税を言い出せない。(R6.1/8記)