読書9-2『新しい幸福論』Ⅹ

経済成長が資源、環境、労働環境を悪化させ、格差を広げる

クリスマス・イブである。娘たちが旦那や子どもを連れて我が家にやってくることが恒例となっている。彼らをもてなすために、食料の買い出し、そうじ、部屋の準備と何かと忙しい。矢のように時間が過ぎて、今年もあと一週間となってしまった。

~経済は成熟の段階に達したのだから、成長は発展途上国にまかせて先進国は成熟国家として人間らしい生活を送ることに専念すればよい。~

「成長は発展途上国にまかせて」という言葉は、そうそう受け入れられない。欧米に追い付け追い越せと働いてきた我が国が、今度は追いつかれ、追い越される。そうなりたくないので、政府も経済政策に重きを置く。それでも、我が国の経済は一向に上向かない。

~成長経済を求めると、資源、環境問題への悪影響、働き過ぎの日本人をますます過重労働に向かわせる。格差社会を助長させかねない。~

働かされている我々は、成長経済を求める者にまんまとのせられているわけだ。言いなりになって働けば、資源や環境に負荷をかけ、過労死を増やし、格差社会を広げることになる。

~イギリス、北欧や中欧諸国はプロテスタントが主流なので、一般には勤労と倹約を尊重する教えを信じる人が多く、どうしても働いて経済を強くすることを重要だとする。一方、南欧やラテン諸国はカトリックが主流なので働くことよりも人生を楽しむことへの志向が強い。~

我が国はプロテスタントでもカトリックでもないが、勤労も倹約も尊重している。プロテスタントに親和性があるということだ。(R5.12/24記)