映画『ヨーロッパ新世紀』

ヨーロッパ新世紀 2023年10月14日公開-127分-ドラマ  監督  クリスティアン・ムンジウ   制作国 フランス、ベルギー、ルーマニア

一昨日、昨日と岡山へ旅行に行っていた。現存12天守は迫力満点。長いマイカー移動だったがその価値は十分あった。特に旅の疲れも感じることなく、カフェモーニングを済ませた後、いつものサイクルシネマ。隣市のミニシアターへ向かった。

感動はない。問題提起型の作品である。それもたくさんの問題が絡み合っている。まずは複数の言語が普通に飛び交う社会。字幕を色分けする映画なんて初めてだ。そして中心となる外国人労働者問題。我が国の方が、移民や外国人労働者に閉鎖的なのかと思っていたがそうではない。「外国人が触ったパンは食べられない」と平気で言う。求人しても現地民が応募しないのは最低賃金で働くよりも生活保護の方が楽だからだ。高福祉の国ならではの問題だ。「長生きしてね」という歌があるのに自ら命を絶つ高齢者。さらに、EUの中での格差、搾取という問題も垣間見られた。

なんとなく気分が暗くなって、迷っていた次の映画も観る気が起きずにそのまま劇場を後にした。帰りはいつもと違う道を通って帰ることにした。(R5.11/25記)