映画『君たちはどう生きるか(2023) 』

君たちはどう生きるか(2023)  124分  監督 宮崎駿

朝食を摂り家人を駅まで送り、カフェモーニングで小倉トースト。安定の味である。その後、ジョギングで市内のシネマに向かった。

監督は宮崎駿。もう説明はいらないだろう。ゆるぎないアニメ巨匠である。サイトの評価は2点台。滅多に見ない低評価なのだが、次女が私の先を越して鑑賞したのだ。私も話を合わせるために鑑賞を決めた。

思っていた作品とは違った。吉野源三郎の同名著作は、私が休職中に読んだ本で最も心に残る作品である。主人公の「おじさん」の生き方に感銘を受け、私もああなりたいと思っている。お勧めの本は、と聞かれたらきっとこの作品を勧めると思う。

豪華キャストの声優陣を耳にした時、主人公を菅田、母親を木村佳乃、おじさんを木村拓哉がやるのだと思い込んでいた。私の憧れの名作を、巨匠宮崎監督がどう映像に表現するのか、期待していた。だがこの映画は、吉野原作とはまったく関係ない。宮崎原作のオリジナル作品だったのだ。私は、とてつもなく大きな肩透かしを食らった。

何をもって宮崎監督はこの題名にしたのだろう。詐欺まがいと言ってもいい。まるでシャレである。この題名から、どうしてあのような映像が生まれるのか。どうしてあのストーリーがこの題名なのか。彼の脳内はいったいどうなっているのだろう。本作は、予告編や宣伝など一切行われなかったのも、観客を騙す、欺く要因になっていると思う。久しぶりに残念な映像体験だった。(R5.7/22記)