読書8-7『ルポ 過労社会』Ⅵ

36協定とは、残業をさせたい使用者が労働者と交わす協定である。月45時間、年間360時間までと定められている。

~36協定を結ぶには経営者側は店や工場ごとに労働組合もしくは従業員の過半数の支持を得られた労働者代表との合意が必要となる。~

教員なので、この協定についてはあまりよく知らない。だが「月45時間、年間360時間まで」というのは教員ができる残業の上限ではある。

~労基署や労働組合が労働者を守らずに誰が労働者を守るのか。~

労基署はあまり頼りにならないだろうな。だから必然的に、労働者を守れるのは労働組合だけだ。

~36協定のそもそもの理想は過半数労働組合に力があり、組合が不当な労働条件を制御していくものだった。組合の組織率が下がり、力が弱い現在、趣旨がずれてしまっている。団体の力によって埋める理屈が通用しない。立法で上限を国が設定するのが現在の解決策だと感じる。~

私の勤務する地域の教員組合の組織率はほぼ100%と言っていいだろう。新任でその学校に所属された時に、分会長から勧められ何もわからずに入会するのだ。組合費も天引き、分会長などは持ち回り、活動は親睦会を主とした、形だけの組合、御用組合である。労働者を使用者から守るという意識はない。労働環境の悪化が、組合の組織率と直接結びつかないという例だ。(R5.7/22記)