読書8-5『信念をつらぬく』Ⅶ

これからは「覚悟」と「我慢」が必要になってくるようだ。

~今の困難な状況を乗り越えてよりよい社会を作るには、日本の国民一人ひとりにも「覚悟」が求められると思っています。端的に言えば、これからの日本人に必要なのは「本当にかわいそうな人のことを第一に考え、他の人のために我慢する」という覚悟です。~

これを読んで思うのが「増税」である。今ちょうど、『幸福の増税論』という書を視写している。もっと欧州並みに増税して、その分社会保障を手厚くするべきだ、という内容である。今の困難な状況というのは国全体の経済の落ち込みというより、格差社会なのだと思う。

~これからは、国に対して「ちゃんとやれ」と言うだけでなく、国民一人ひとりが「自分が我慢すること」を真剣に考えて「本当にかわいそうな人」たちを助けていかなくてはならないと思うのです。~

現在の私も「本当にかわいそうな人」ではない。そういう人に思いを巡らすと、恵まれているなと感じる。「本当にかわいそうな人」を比較の、安心の対象にしてしまっている。それでは、覚悟も、我慢もない。

~「自分で何とか出来る人」に対して「既得権」を手放すことを求めるものになる可能性が高いと思います。そうなったとき、一人ひとりが「自分より弱い、本当に守らなくてはならない人たち」のことを思い、覚悟を持って自分が我慢するということを受け入れてほしいと思っています。~

筆者はこのように呼びかけているが、政府は「覚悟しろ」「我慢しろ」などとは口が裂けても言わないだろうな。言ったら大ブーイングになるだろう。だが、ブーイングをする者は、きっと自分のことしか考えていない、本当に助けが必要な人に思いを馳せていないということなのだ。(R5.6/5記)