読書『挫折を愛する 』(松岡修造)

挫折を愛する (角川oneテーマ21) 新書 – 2012/12/10 松岡 修造 (著)

この人については、説明は不要だろう。偏見かもしれないが、この人から「著書」というものがどうしても結びつかない。なお、コメントには「挫折の時ほど人は本当の力が出せる。折れやすい心を強くするためのヒント」とあった。それを読み取りたい。

「前向き」という言葉が多い。

~今の僕は自分の弱さをさらけ出すことに全く抵抗がありません。「本当に弱いんだからしょうがない」と思っています。そういうふうに思えれば「弱いなりに、今の自分にできることをしよう」と前向きになれるはずです。~

「本当に弱いんだからしょうがない」とあるが、筆者が「本当に弱い」なんて想像がつかない。本当に弱い人間が、ここまで活躍できるとは思えない。弱いのではなくて、自分を強く大きく見せても仕方がない、という意味だろう。素のままの自分で、精一杯のことをやればいいということなのだ。他人にどう評価されても構わない。自分で勝手に高みを望み、無理する必要もない。できることをこつこつやるしかないのだ。

~「苦しい時こそ笑おうよ」と自分に言い聞かせ、作り笑いを浮かべていました。演技でも構わないのです。困難な時ほど笑うことで乗り切るエネルギーが湧いてきます。あえて自分を騙して笑うようにしていると、体も心もリラックスして不思議とだんだん前向きな気持ちになっていきます。笑いによって「心の抵抗力」がついていくのでしょう。~

困難な時こそ笑える、それこそが心の強さだろう。その、心の強さはどうしたら養えるのだろう。今一度、笑いの価値を十分に感じ取り、意を決して作り笑いをしろということか。

~笑うことによってメンタルの波は確実に高くなり、失敗や困難を恐れない前向きな気持ちが生まれます。苦しい時こそ、笑った者の勝ち!「笑いに悪い効果は一つもありません」~

笑いの効果はじゅうぶん認めるが、本当の窮地に陥ったとき、笑う余裕があるかなあ。

(R5.4/14記)