読書7-14『「本」と生きる』Ⅵ

話題は学校図書館に移る。

学校図書館が学びの基盤である。図書館の利用方法を指導することは、子どもたちが生涯にわたって学び続けるための基礎的な学習力を育て、社会を生きるための総合的な力の基盤を整備することである。~

図書館の利用方法は年度当初に指導している。が、利用者は一昔前より激減していると思う。おそらく教員の中にも、図書館を積極的に利用しようという者もいないと思う。そして、教育委員会や管理職からも、その熱を感じない。原因はタブレットの普及である。

図書館での調べ学習に自分もよく取り組んだが、思ったほどには適した本はない。どうしても有用な本の取り合いになる。一人1台のタブレットは、いわば個人図書館を持っているようなものだ。また、教育委員会からはたびび利用状況調査が行われて、使用を急かされている。「図書館が学びの基盤」というのはもうピンと来ない。

~人類が幾世代、幾世紀にもわたって後世に伝えてきた豊穣な知的遺産を受け継ぐ学校図書館は子どもたちが生涯にわたって学び続けることを学ぶ場所であり、混迷の現代を生き抜く力の礎石であるとも言えるでしょう。~

我が市では、市立図書館が、絵本や児童書を30冊ほどボックスに入れ、各学校の各教室を巡回させるという荒業に出ている。読書に親しませたいという熱意は分からなくもないが、現場の教員に作業の負担をかけており、はなはだ迷惑な試みである。(R5.2/16記)