映画『夢みる小学校(2022)』

夢みる小学校(2022)監督 オオタヴィン

明日の『アライブフーン』がどうしても観たいので、土曜日ながら、しかも前日まで大きな行事をこなしながら、早朝に座禅。家人を駅まで送った後、雨の天気予報に関わらず自転車で隣市のミニシアターに向かった。職業柄、興味をひかないわけにはいかなかった。破格の高評価でもあった。だが、この作品は映画と呼べるものではない。ドキュメンタリー番組だ。クオリティーも内容もである。

冒頭、「文科省認定」という文字が出て、嫌な予感がした。内容は子どもの自由を尊重した、教科書やカリキュラムにとらわれない教育を行っている学校の取材レポートだ。通知表がない、点数をつけない、独自の教育は素晴らしいと思う。だが、途中で高校進学者の平均順位グラフが出る。結局、偏差値教育に与しているのか、と思ったらシラケてしまった。

伊奈小学校の実践も紹介される。総合学習創成期に持てはやされた学校だ。総合学習の研究推進をしていたので、『かつて夢見た小学校』である。幾人かの教育者が持論を述べていたが、内容よりも映像の粗さばかりが気になった。文科省はこんな映画を認めていながら、経済界のご機嫌を伺って、教育の根本を見直さない。夢は、あくまで夢なのだ。(R4.6/18記)