映画『パラレル・マザーズ(2021)』

パラレル・マザーズ(2021)MADRES PARALELAS/PARALLEL MOTHERS 監督 ペドロ・アルモドバル

午後は撮りだめた写真を近所のカメラ屋でプリントアウトをしてから、隣市のミニシアターへ向かった。サイトの評価は高くないが、週刊誌では結構好意的な評価を得ていた作品で、いつか観ようと決めていた。

どことなくB級臭ただようのだが、実は深いという作品である。産科が子どもを取り違えるなんて現代でも起こるのだろうか。たとえ短い間でも自分が抱いた我が子のはずなのに。賛否はともかく、2人の母親が「パラレル」の意味だろうが、若い母親とその母親、そしてヒロインが愛した男性と若い母親、また表面的な物語と、その根底に流れる大きな物語。これらもパラレルなのだろうなと思った。

赤ん坊の取り違え自体、私にとってとても刺激的で、ヒロインと若い母親が新しい家庭を作るのかと思ったがそんな単純ではなかった。そんな男女や女同士のドラマにとどまらず、「スペイン内戦」の爪痕に対し、遺族の子孫がどう向き合っていくかというのが主テーマなのだ。どこの国でも、負の歴史を持っていると感じた。(R5.1/7記)