映画『ある男(2021)』

ある男(2021)監督 石川慶

職場は事務週間とやらで子どもが早く帰り、ぽっかりと空き時間ができた。自分のやるべき事務仕事はほぼ終わっているのだ。ということで1時間の割り振りをとって帰宅、ジョギングで市内の劇場へ向かう。「今日映画を観ない者は映画ファンではない」なんて思いつつ、1000円で映画が見られるのはやはりありがたい。

某サイトの評価も割と高いし、ちょうどいい時間に上映されていたので本作を選択。4点に近い評価だが、3.5以下でもいいと思った。予想を越えた凡作に近い。

宮部みゆき火車』を連想させる物語だが、このあらすじが自分好みではない。別人に成り代わった窪田が事故死してしまうのだが、それが展開を制限して、つまらなくしている。窪田の前職業からいって不自然だし、突然の失踪とかにしたら、もっと面白くなりそうだったのに。また窪田と成り代わった相手も、成り代わる必然性が薄く感じる。

ストーリーは物足りないが、窪田はもとより妻夫木、安藤、柄本など、ビッグネームを揃え、真に迫った絶妙な演技を魅せてくれる。そういう意味ではクオリティの高い映画かもしれない。(R4.12/1記)