映画『ロスバンド(2018)』

ロスバンド(2018)LOS BANDO  監督 クリスティアン・ロー

本作の評価を見たところ、驚愕の高得点を叩き出していた。これを観逃がしたら、映画マニアの名を汚す。チャンスは今日か木曜日。「観れるときに観る」はこれまでの経験から得た教訓だ。20分の割り振りを取って職場を出て、洗濯、味噌汁、ジョギングを済まして隣市のミニシアターへ向かった。客は私一人だった。

バンドがコンテストの決勝に勝ち残り、遠く離れた会場へ向かう、という単純な物語だ。しかし、道中の様々な事件が、おもしろく、せつなく、そしてクライマックスに見事な終結を果たす。

会場に近づくたびに愉快さ、ハラハラドキドキも坂を駆け上がっていく。私は、ウルトラCの部分で、思い切り声をあげて笑ってしまった。そして蒸せて咳き込み、ジュースも吐き出してしまった。他の客がいたらひんしゅくもので、本当に貸し切り状態でよかった。

登場人物誰しも愛すべき存在に成り得る。だがやはり特筆はチェロの女の子だろう。多才で綺麗で物凄い子役だ。物語に感動し、この映画に出会えたことにも感動している。だから映画はやめられない。(R4.5/23記)