映画『空気殺人(2022)』

空気殺人(2022)AIR MURDER/TOXIC 監督 チョ・ヨンソン

座禅、朝食を済ませ、自転車で隣市ミニシアターへ向かう。雨の予報だったが、出かけは晴れていたので「これは降らないな」と決めつけた。途中、菓子パン2個を買いに安売りスーパーに立ち寄る。

凄い、物凄い映画です。心に刺さるというより、ぶちのめされるような感じです。被害者家族が、健康被害をもたらす商品を営利目的で販売し続ける企業の悪を暴くというストーリーです。少し前にやった水俣病の映画に似ているけど、あんなに暗くない。それはきっと中心人物2人のキャラクターが真っすぐな明るさを放っているからだろう。

私はこの事件を全く知らない。2011年と言えば、かの大震災の年だ。日本も隣の国を気にする余裕などなかったのだろう。でも、被害の様子の映像だけでも胸が詰まる思いだ。主人公たちは、大企業と闘うわけだが、首尾よくは進展しない。

終盤、私は「この国は、正義が通らない国なんだ」と諦めていた。しかし信じられないような結末が待っている。久しぶりに泣いた。鼻をすするとカッコ悪いので、鼻水も垂れ流しだ。今年最高と言っても過言ではない。さすがの韓国映画だ。(R4.11/13記)