映画『この子は邪悪(2022)』

この子は邪悪(2022)監督 片岡翔

日曜午前、ぽっかりと穴が開いたように時間ができた。映画観れるかなと市内の劇場の上映時間を調べると、今すぐ行けばなんとか間に合いそうな作品が一つ。この作品のレビューも、評価も知らない。調べている時間もない。ナップにアクエリアスを詰め込んでジョギングで家を出た。今までたまったポイントを使い無料鑑賞、着席と同時に本編が始まった。

帰宅して評価を調べると全然高くなかったが、それ以上に面白い作品です。レビューの内容も厳しいが私は十分楽しめました。表題から主人公のヒロインがブラックで支離滅裂ハチャメチャなことをするのかなと想像していたがそういう展開ではなかった。

全編通して不気味さが漂う物語だ。恐ろしい人が出てくる、出てくる。ヒロインの家族もまるで『死神家の一族』さながらである。でも、あり得ないことはない、というところが恐怖感を一層高めている。父親役に「いい人キャラ」玉木宏を起用することで、反転の面白さはあるのだが、最後は不気味さに欠けてしまったかな。ヒロインの南は透明感ならぬにごりのある存在感を示し、これからの作品も気になる。

家族を愛し、大切にするという普遍的な思いと、児童虐待という現実を対比させて、上質なサスペンスホラーに仕上げている。ちなみに表題の意味は最後の最後でわかります。(R4.9/4記)