映画『TITANE/チタン(2021)』

TITANE/チタン(2021)TITANE 監督 ジュリア・デュクルノー

組合の雑事から解放され、ジョギング込みの買い物、煮物づくり、それを次女宅に届けてマイカーで隣市のミニシアターに向かった。それでもなんとか上映時間に間に合った。今日を逃したら、もう鑑賞するチャンスがないのだ。

さすがパルムドールだ。衝撃作、問題作とともにそれを超えた感動作ではないだろうか。しょぼい評価は信じないほうがいい。

エロい、そしてグロい、映画です。私は、かつて観たフランス映画『ニキータ』を思い出した。あの作品も観る者をとことん追い詰めるようなグロさだ。そして後半を観て思い出したのは『ザ・フライ』。いまだかつて見たことのないものを見させられる、その不気味さで身を震わせてしまう。しかし、そこまでの映画ではおわらない。

ポイントは、ヒロインの養父である。この人物が最高である。実父と対比させることで、ヒロインが歩かねばならなかった人生が透けて見える。だが、養父はすごい。無償の「愛」を教えてくれるのだ。自分の対象をとことん愛する、ゆえに対象が生み出したものもとことん愛する。エログロを突き抜け「愛」とは何かを教えてくれる作品。今年観た中で間違いなく5本の指に入るインパクトだ。明日からの大きな行事で早起き必至。早く寝なくちゃ。(R4.6/15記)