読書6-17『ストレス一日決算主義』Ⅷ

先日、職場に訃報が貼られていた。私の同級生だった。何があったのか、耳に入ってきたことからの憶測にすぎないのだが、メンタルの不調だったらしい。

中高年がメンタルの不調に陥るのはよくわかる。長く働いていればそれなりの実績ができるものだ。そこで失敗や困難に直面すると、それまでの経験、努力、実績がすべて否定された気分になるのだ。大きな無力感、喪失感を味わうのだ。

筆者は「一日」を強調する。

~夜眠るときにその日一日を振り返り、「ああ、今日も一日充実した日だったな」と思えるようにすればいのです。つまりすべては心の持ちようであって、その時にストレスがたまった状態であれば、決して清々しい気分で一日を振り返ることなどできないでしょう。~

その通りだが、どうやったら「充実した日」と思えるのだろうか。自分なりの答えとしては、相手や結果に目を向けないこと、自分の努力や行動にだけ目を向けることだ。「相手にこうされた」「思うどおりの結果にならなかった」と相手や他者基準で考えると無力感が出る。自分がどれだけ精一杯やったかに注視すればいいのだ。

~毎晩眠るときに「いい一日だった」と思い、朝起きたときに「今日も一日頑張ろう!」と考えることこそが、健康的な生活の源です。~

もう一つ。一日単位で生きていくことだ。遠い将来などあまり考えないことだ。朝目覚めたらその日の自分が「生まれる」。その日の自分を生き、一日の終わりにはその日の自分は「死ぬ」。遠い将来を思い描くと、今の自分を将来のために犠牲にしてしまう。職場だろうと、家庭だろうと、プライベートだろうと、その一瞬にだけ集中すればいい。一瞬一瞬の積み重ねこそ、充実した一日だろう。充実した日々の積み重ねこそ、充実した人生だろう。

~一日一日を感謝してしっかり生きれば明日のことはどうにかなるもの。心の持ち方次第で「辛い」気持ちを「幸せ」な気持ちに変えることはできるのです。~

思い付きだが記しておこう。「辛」の字に「一」を加えれば「幸」になる。「一瞬」や「一日」を大切にするという気持ちが「一」に込められている、なあんてね。(R4.7/31記)