読書6-15『ぼくらの民主主義なんだぜ 』Ⅴ

今回で終わりとしたい。

~経済界はいつでも辞めさせることのできる「労働力」を求めた。新自由主義の名の下にあらゆるものが市場原理にさらされることになった。教育も例外ではなかった。学生たちは取り換えの利く駒の予備軍になった。「超過勤務手当」もないのに、週当たり12時間の超過勤務のほとんどブラック企業化した職場に置かれた教師も例外ではなかった。~

公立学校の教員が、公務員である教員が、なぜ市場原理にさらされなければならないのか。教育は、経済や市場と最も縁遠い存在でなくてはならないのに。これは、我が国の教育が経済の僕と化してしまっているからだろう。その子の幸せのために教育をしているのではなく、経済界の要請だとかグローバル人材の育成だとかで、経済の発展に役立つ人材を育てることを念頭に置いているからだ。ここでも、子どもや教師の人権は置き去りにされているのだ。

~作家たちは目に見える戦争だけではなく、わたしたちは既に「見えない戦争」に巻き込まれていると書いている。格差、貧困、環境、様々な理由で人々は倒れてゆく。それもまた戦争だ。彼らを倒した銃弾を放った者がどこかにいるのである。~

戦争のない平和な世の中はすばらしいが、戦争がなくても、様々な理由で倒れる人がいる。そういえばもうすぐ選挙だな。見えない戦争があるということ、それに巻き込まれている人に思いを馳せて、選挙に参加しなくては、と思う。(R4.7/8記)