読書7-3『「こころ」の本質とは何か』Ⅺ

真の教育って何なんだろう。

~右から左まで各自の理念による、これぞ「真の教育」だという主張が百家争鳴し、いずれにせよ学校や教員たちは、「真の教育」を行っていないというわけで左右からバッシングの嵐にさらされましたね。このバッシングは教育現場を孤立無援のまま疲弊させるとともに、かろうじて残っていた学校や教育の聖性にとどめを刺しました。~

教育論や子育て論など十人十色だ。著名人たちも容易に教育論を叫んでいる。なるほどと思い真似てみても、うまくいかないことの方が多い。教育というのは、教える立場の「人となり」が大きく左右されるものなのだ。

現場の教師はどうか。真の教育を探究する余裕などない。日々の業務に追われ、カリキュラムを終えるので精一杯だ。

~この矛盾は教育現場において、子どもたち一人ひとりの「個別性」を尊重せよ、「個性」を育めという要求と、子どもたちを平等に扱え、「差異をつけるな」という要求との矛盾としてできています。「みんなにわかるゆとりの教育を」という要求と、「しっかり学力をつける教育を」という要求との矛盾としてもでてきています。文科省はこれらの矛盾のはざまを迷走しておりますでしょう。~

さしあたって、個性を尊重せよ、というのは無理な話だ。一人の教師が30人以上の児童生徒を相手にするのだ。今の学校のシステム自体が、「同一規格の子ども」を育てる仕様になっているのだ。

~これらはシステムそのものに内在する矛盾ですから、システムを変えない限り解決できないものです。しかしシステムを根本から変えるのは難儀ですから、この矛盾の解決は現場の教育の努力にゆだねられています。責任を押し付けられているというべきでしょうか。~

あまり強い使命感など持たないほうがいい。勤務時間内はベストを尽くすが、できないものはできない。システムが見直されるのはいつだろうか。(R4.11/6記)