読書『働き盛りがなぜ死を選ぶのか <デフレ自殺>への処方箋』Ⅱ

働き盛りが死を選ぶ理由が、働きすぎにあるのだ。

~オランダやフィンランドなどの西欧先進国では、週35時間勤務で、残業はなし、年間4週間の休暇を取ることが義務付けられている。少なく働き、多くの時間を遊び、しかし、より多く稼いでいるのである。~

要するに労働生産性の問題である。成果を顧みず、長い時間働いていることに満足してしまうのだろう。わが職場でも同じである。教員が長時間労働をしたところで、子どもの学力は向上しているだろうか。教員の労働時間とは関係なしに、子どもの学力は年々低下しているのが現実だ。私はそれがわかっているから、今日も勤務終了時間に職場を出た。多くの者がこの現実を見ようとはしない。

~日本人の労働が全体的な豊かさを増やすことに役立たず、むしろ減っていく豊かさを奪い合うことに費やされているからである。~

~日本人の能力や日本という国の潜在力は、一方で遊んだ状態におかれ、他方で無意味なことに費やされ、結局、全体としては、その力を十分発揮できなくなっている。~

従来からある教科、指導法の上に、アクティブラーニング、英語学習の教科化、プログラミング学習と、次から次へと目まぐるしく新施策が上積みされていく。一つ一つには意味があるのだろうけど、取捨選択しなければ、消化不良を起こすに決まっている。指導者の英断を待望している。(R4.4/12記)