読書『働き盛りがなぜ死を選ぶのか <デフレ自殺>への処方箋』Ⅲ

働き盛りが死を選ぶわが国。国民性も関係しているようだ。

~日本国民の感情論に政府が押し流され、必要な手立てについて国民を説得し、合理的な意思決定ができなかった。~

我が国の財政危機は増税で対応するしかないと思う。しかし政府は増税を口に出すと、次の選挙で負けてしまう恐れがあるのだ。どうやら国民も、増税に対しては感情的にNOを突き付けてしまうのだ。政府も、説得を先延ばしにしているし、意思決定もできない。

~日本人は時代劇の影響か、銀行とか役人といったものを悪者にして、吊るし上げることを好む性癖がある。~

ネット上でも、いったん弱みを見せつけると、「炎上」とかで集中攻撃、集中砲火にさらされる。時代劇では、銀行は「高利貸し」「私利私欲」、役人は「四角四面」「杓子定規」などと批判的だ。逆に「庶民の味方」というと安心する。それは日本人の性癖なのだ。

~穏やかそうに見える日本人の奥底には感情の渦に巻き込まれて集団ヒステリーを起こし、異物と感じたものを徹底的に排除するファシズム的性向があることを、日本国民は今一度自戒すべきだろう。~

日本人は、感情的であり、徒党を組みたがる、排他的な国民。「日本人の良さ」ばかりに目を向けがちである。やはり物事は裏も表も見なければだめだ。(R4.4/13記)