読書『仕事なんか生きがいにするな 』Ⅲ

労働する動物では、本当の自分は見えていないのだ。

~現代の「本当の自分」探しというものが、自分にふさわしい「仕事探し」というものにする替わっているという指摘は重要な問題提起を含んでいる。~

たしかに長時間働かされている、自分の時間さえ奪われている状態では「本当の自分」は見えてこないだろう。

~問題点は大きく2つあって「真の自己」を外に求めてしまっていることと、それを「職業」という狭い範疇のものに求めてしまっているところにある。~

実際のところ「職業」はそれほど狭いわけではない。毎日8時間拘束されているわけだし、その対価として決して安くはない賃金を得ている。それなりに打ち込めば、スキルアップし、周囲からの承認を得られる。

~一個の人間は一つの職業に包摂されるほど小さくはないと私は考えます。「仕事」や「活動」そして「観照生活」というものを、少しでも現代に生きる私たちが自分の生活に復活させることができるか。~

ただ今からでもできること、続けなければならないことは、労働の時間はただそれに集中すること。だが、労働の時間以外は、決して労働や職業について考えないこと。その態度が「観照生活」の復活へと向かっていくのだと思う。(R3.10/21記)