読書『会社で生きることを決めた君へ』(佐々木常夫)

会社で生きることを決めた君へ (PHPビジネス新書) – 2013/9/19 佐々木常夫  (著)

前回までの本とまるっきり反対の題だ。だが、会社人間を肯定するような本ではない。

~大事なことは、自分の欲のためではなく、チームのため、あるいは顧客のためなど、世の中の何かに貢献することです。人はなんのために働くのか。人は自分が成長するために、そして何かに貢献するために働くのです。~

世のため、人のため。なんて耳障りのいい言葉なのだろう。私は、この心持ちをすぐに忘れてしまう。生粋の、利己的で独善的で自分勝手な人間なのだ。そんな私は、こう考えることしかできない。「自分がいなければ、誰かが埋め合わせをしなくてはならない。だから、自分がそこにいるだけで誰かを助けている、誰かの役に立っている」

長時間労働をしないと成果が出せないというのであれば、「私はこの年齢になっても勤務時間内に仕事をこなすことができない人間です」ということを周りの人たちに自ら公表していることになります。~

そうだ、そうなのだ。だが、現実はそうではない。勤務時間を大幅に超えて遅くまで仕事をする人間を仕事熱心だとみる風潮は依然強い。私など勤務時間終了と同時に退勤するのに、なぜか肩身の狭い思いをしている。

~無理に長時間労働を続けていると、集中力や判断力が鈍り、仕事のパフォーマンスも落ちていきます。また、健康も損なわれます。仕事に没頭していると、人生のバランスが大きく歪んだものになってしまいます。~

私は、自分のかけがえのない時間を、仕事なんかに奪われてたまるか、という思いでいるけどね。(R4.2/18記)