読書『人生を面白くする 本物の教養』Ⅻ

どれも染みる言葉だなあ。

~仕事や職場がすべてだと思っている人は、じつは仕事や職場に依存し従属しているにすぎないのです。それでは人間としての視野が狭すぎます。仕事や職場がすべてではないと気付く必要があります。みんながみんな置かれた場所で咲く必要などどこにもないのです。~

私は休職中にいろんな本を読んだが、心に刺さったものの一つに『君たちはどう生きるか』がある。物語中の「おじさん」に心底惹かれたものだ。「おじさん」は博識で、生き方に迷うコペル君に実に的確なアドバイスをする。自分はどうか。教え子にも、実の娘にも、生き方のアドバイスをしてきたか。できるか。自分は、人間としていかに狭いか思い知った。勤務時間が過ぎて職場にいてはいけない。もっと自分を広げなければいけない。娘にはできなかったが、せめて孫には生き方を説いてやりたいと思うのだ。

~人類が登場してからの時間はたったの0.004%、ほんの一瞬です。人間の文明は地球の表面にこびりついたカビのようなものです。所詮私たちの文明はカビ程度なのだという認識を持っていれば、仕事や職場のことなどじつに小さなことだと割りきれるのではないでしょうか。~

遅くまで仕事をし、家と職場を往復するだけの生活をしていると、こういう発想さえもできなくなる。こういう視点を持つことができるのも、やはり視野の広さゆえなのだろう。

~今の私たちは人間性を保持した生き方ができているでしょうか。基本的人権さえ保障されていない労働環境が蔓延しています。~

基本的人権を保障するために労働法がある、はずである。