読書『死ぬな: 生きていれば何とかなる』(並木 秀之)

死ぬな: 生きていれば何とかなる (新潮新書 587) 単行本 – 2014/9/16 並木 秀之  (著)

2019年の3月。休職していたこともあり、私は兼ねてから憧れだった流氷を見に行くことができた。(といっても、流氷自体は見れなかったのだが)その旅行中に読んだ本であり、この本の内容とともに雪景色や札幌の街並みを思い出す。

筆者は、生まれつき脊髄に障害を持っており、下半身が不自由だ。大学卒業後、会計事務所勤務を経て会社を設立し100社以上の破綻処理に携わった。膀胱がん、肝臓がん、白血病などにかかっているという人物だ。

~「こんな体でも生きているんだから、あんただって生きてみろよ!」ともあれ彼らは「死ぬしかない」という思い込みから解放されることで、せっかく授かった命を無駄にしなくて済んだのです。~

私も仕事上の失敗、挫折がもとで休職していたのだが、そんな悩みなど本当にちっぽけなものだ。

~まず肉体がなければ悩むにも悩めないのです。肉体がここにあることの驚きや喜びを感じる前に、肉体よりむしろ心に左右されてしまい、肉体を失うことの重大さになかなか気づけない人が多い。~

肉体あってこその心なのに、いつしか肉体を忘れ、心に支配される。

~人はついつい心の問題以外に重要なものはないと思ってしまうわけですが、肉体が消滅することのほうが実は重大だと気付くと、自分を左右している心の問題が、いかに思い込みに満ちているのかも見えてきます。~

思い込みによって見えなくなるのは肉体に関することだけではないと思う。決めつけたりとか、思い込んだりとか、そうやって心の問題を抱えて、自分や他人を苦しめていることはあると思う。