映画『孤狼の血 LEVEL2 (2021)』

孤狼の血 LEVEL2 (2021) 監督 白石和彌

『ヒロアカ』鑑賞後、喫茶店でお昼を食べ、また市内の映画館に向かう。この作品をずっと楽しみにしていた。何といってもあの作品の続編である。観なきゃ損だ。

銃撃、暴力、カーチェイスなど、どろどろした波が何度も繰り広げられる。しかし今作の注目はやはり上林、鈴木亮平だろう。なんとも恐ろしい悪の極みの役であった。出所するや否や看守の妹をはじめに、次々と人を殺めていく。私はストーリーを追うよりも、なぜこんな悪が成立してしまうのかという疑問で支配されてしまった。「恨み」が悪の根源だとしたら、自分は恨みを買っていないだろうか。自分はそれを受け入れざるを得なくても、家族にまで影響を及ぼすなんて許されるのだろうか。

そんな悪を封じ込める、取り締まる立場が、警察なのだろうが、それも信用ならないということが本作ではよく分かる。そんな悲しきどんでん返しも観させられることになる。映画を観て、映画以上のものを観ることになる、という作品です。

前作は若手刑事の成長物語が希望だったが、今作は希望と呼べるものがないのが少し残念。(R3.8.24記)