映画『83歳のやさしいスパイ (2020)』

83歳のやさしいスパイ (2020) EL AGENTE TOPO/THE MOLE AGENT 監督 マイテ・アルベルディ

2日連続の都会出張もようやく終わり、ジョギングで映画館に向かった。帰りもそう遅くなりたくないので、評価はそれほどではなかった本作を選んだ。

老人がスパイ、老人ホームに潜入なんて奇抜であり、序盤はとても興味深く見入っていた。ドタバタ、奇天烈なコメディかと思ったが全くそうではなかった。

話が大きく進展するわけでもなく、間延びした感じで、途中何度も寝落ちしそうになった。はっきり言って退屈な映画だ。が、物語ではなく、ドキュメンタリーなのだと思えば納得できる。なぜなら、老人ホームの日常そのものが、きっと退屈なのだろう。

映画自体は退屈なのだが、主張はじわじわと伝わる。いつの間にか私も自分の母親のことを思い出していた。母は認知症を患い、市内の施設に入った。悪化するたびに、遠く離れた施設へ変わっていった。時々見舞いに行ったが、確実に回数は減っていった。そんな母親に対して、もっとやれたことがあったのだろうな。

今、自分がやれることは、主人公のように、同じ世代の者にやさしくすることなんだろうな。(R3.7.28記)