映画『愛する人に伝える言葉(2021)』

愛する人に伝える言葉(2021)DE SON VIVANT/PEACEFUL 監督 エマニュエル・ベルコ

少し前に存在を知った映画。評価が高いのでどうしても観たい。今日は5時間授業なので、1時間の年休を取り、3時に職場を出て帰宅、すぐにマイカーで隣市のショッピングモール付設シネマに向かった。

がんを患った主人公が人生の終わりを告げるというストーリーである。日々老いていく私も他人ごとではない気がして、興味深く劇場に臨んだ。が、死にゆく物語なので大きな抑揚はなく、そして運動会のダンスの練習での疲れもたまり、睡魔との闘いながら鑑賞した。

死を目前にして主人公は言う。「何も成し遂げなかった」「自分が死んでも世間は1ミリも動かない」その通りなのだろうが、自分に問われているように感じた。せめて死の間際になってこんな空虚な思いから、少しでも解放されるように、これからの日々を生きねばなるまいか。でも、どんなに積み上げても、何かしらの不満はあるのだろうな。

かの国の病院では病室でギターの弾き語りを聴かせる文化があるという発見。こういうのってすごくいいと思う。ずいぶん前だが、老人保健施設でボランティアをした時、帰り際に病室に呼ばれ、末期の方に唱歌を謡ったことを思い出した。(R4.10/13記)