映画『エンパイア・オブ・ライト (2022)』

エンパイア・オブ・ライト(2022)EMPIRE OF LIGHT 監督 サム・メンデス

なんとか今年度中に年休を20日消化したい。今日は2時間取得して洗濯物を干し、カフェで視写と読書、そこから隣市の複合商業施設付設シネマに向かった。マイカーで15分間仮眠したら眠気も消え、ハンバーガーとコーヒーで腹ごしらえして劇場へ。するともう開演時間を15分も過ぎていた。予告編が長かったので、本編にはギリ間に合った。

高評価だから選択したのだが、私は英国皇室の映画だと思っていた。エンペラーとエンパイアを勘違いするなんて。主演女優の画像にも皇室の姿があったし。

上質な作りの映画です。これぞ「ザ・映画」です。ヒロインが、おばさんなのに、とても魅力的。でも徐々に皮がはがれ人物がくっきりしてくる。それが展開への期待と不安両面の高まりを作り上げる。

精神病のヒロインと黒人男性。このカップルが社会的弱者としてうまく対比される。病気も差別もつらい。だが特に差別の黒歴史を見せつけられる。私は、2人を取り巻く仲間たち、そして黒人男性の母親の言葉に泣かされてしまった。

この作品は映画そのものの素晴らしさを再認識させてくれるのだ。つらくとも現実を忘れられる。それは逃避ではない。現実に向き合う活力を与えてくれるのだ。不幸だって、弱くたって、支え合う仲間がきっといる。そんな仲間をつくるためにも優しさと勇気が必要なのだ。観てよかった、心底思える作品です。(R5.3/16記)