読書『流されて生きなさい』Ⅵ

どうしても、いつの間にか、完璧を求めてしまう。

~「完璧にしなければ」という思いが厄介なのは、自分を追い詰めることだけではありません。それを人に求めるものだからです。そうなると人間関係に問題が生じるのは当たり前です。~

教師という仕事は厄介だというと、言い逃れに聞こえてしまうだろうか。基本、子どもは未熟な存在だ。それを指導するのが教師だ。子どもの成長を求めるところに教師の存在価値がある。子どもにどこまでの成長を望めばいいのか分からなくなる時がある。また、上司からの指導や同僚の存在が、自分の判断を揺るがせるときもある。

~「完璧」が幻想であるように「普通」もまた幻想です。すべてのことに完璧と普通を求めないことです。~

だから、教職というもの自体、捉えどころのない、わからないものなのだ。いや、仕事自体、もしかしたら人生そのものがそうなのかもしれない。だから「自分は完璧を求めすぎていやしないか」と常に立ち返る、問い直すこと姿勢が大切なのだ。

~自分にはない何かを求めて自分を追い詰めるのではなく、自分の中にあるものに気づき、優しく受け入れることです。相手にはない何かを求めて厳しく接するのではなく、相手の中にある良いところを見つけて、それを褒めたたえることです。そのためにも、「いい加減」な気持ちになってみましょう。~

「完璧を求めるな、いい加減であれ」自分のよさに気づき受け入れること、相手のよさを見つけ褒めること。それはどちらもできなくてはならないし、子どもを前にしたテクニックの次元ではないのだ。