映画『夏時間』

 夏時間 (2019) MOVING ON 監督 ユン・ダンビ

隣市のミニシアターはサービスデー。高得点を叩き出している本作品を観ることにした。サービスデーなので、観客は10数人ほど。割と入っていた。

この作品、かなりの異色作だと思う。どこが、というわけではなく、全体として存在感を放つ作品なのだ。描かれているのは、ある親子の日常だ。父親が離婚するのも、それを機に実家に行くのも、主人公の少女が容姿を気にするのも、兄弟げんかをするのも、祖父との別れも、至ってありきたりの日常だと言える。普通の、日常の時間が流れる。ただ、時間でしかない。それこそ、表題の『夏時間』だ。

しかし、それは第三者からみた景色だ。少女本人にとっては、ひと夏の時間の流れの中での出来事は、一つ一つ、大きく重くインパクトをあたえていくのだ。その結果が最後のシーンに繋がるのだ。

もう一つ学んだこと。それは親が子どもに「お前だって」とは言ってはいけないということ。私もそんな言葉を娘たちに放ったかもしれないけど。

じわああーっと来る作品です。