映画『ミセス・ノイズィ』

ミセス・ノイズィ (2019) 監督 天野千尋

今日から本格的な黄金週間だ。しかも1日だから映画の日。今、一般的な映画館は『るろうに剣心』と『コナン』に占拠されている。私は隣市のミニシアターに向かった。ずっとずっと気になっていた、評価の高い本作品が目当てだった。

結論から言えば評価ほどでもない、期待外れな作品である。まず主人公の女性に全く共感できない。彼女の生きざまは一言でいえば「執着」である。小説家として名を上げることに執着している。なぜそんなにとらわれるのか。家族を放り出してまでなぜ成功したいのか。それが描かれていないので、味方にもなれない。嫌悪感を感じていた。

そして主人公自体に魅力が感じられない。文学に長けている小説家らしさが見られない。声色も役にふさわしくないように思えた。

最後に、結末である。そんな主人公の振る舞いに対し、その結末はあり得ないと感じた。執着により、相手を肉体的にも精神的にも痛めつけておいて、「最後のお願い」をすること自体厚かましく思う。

私は、主人公こそが「ノイズィ」、そしてそれにたかる奴ら、SNSで騒ぐ奴らも「ノイズィ」なのだと受け止めた。ただ一瞬、心打たれる場面があり、それが救いだと思った。