読書『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』Ⅲ

筆者は「恩」、「義理と人情」を大切にしているのだ。

~最初に井戸を掘った人の恩は絶対に忘れちゃだめだ。義理を欠いていると、そのツケは必ず回ってくるんだよ。~

私は「義理」「人情」というと、なぜかヤクザの世界を思い出してしまう。そして一歩引いてしまう。全く間違ったイメージだと思う。

~受けた義理には報いる、いただいた人情には応えるのが生きていくうえでの基本なんだ。義理と人情を欠いたら仕事もうまくいかない。~

受けた恩というと、2つのことを思う。まず、組合の仲間からの恩だ。私は適応障害になって休職した。復帰する際、新しい職場に異動することを希望したのだが、そのために組合の仲間が動いてくれた。今、こうして仕事を続けていられるのだから、本当に感謝している。私が組合で活動することで恩を返していきたいと思う。

~一度受けた恩は一生のものだと思う。世話になったのが1回こっきりだとしても、その人が自分のために何かしてくれたって事実は消えてなくなるわけじゃねえんだ。だから感謝の気持ちに終わりはないんだ。感謝を忘れるってことは大切な人脈を自分から手放すってことなんだ。~

もう一つ、思うこと。それは若い頃から面倒を見て下さった上司のことだ。私の教育実践や指導案、研究論文を指導してくれただけでなく、仲人も引き受けて下さった。焼き肉、カラオケ、何度もおごってもらった。

学閥に関わることなく校長まで勤め上げたその方は、私が出世することをずっと気にかけていた。だが、ひねくれ者の私は、その方の気持ちの沿うようには生きられなかった。結局、その方とは疎遠になり、もう全く連絡もしていない。その方に対しては「合わせる顔がない」というのが正直なところだ。義理を欠いたというのはこういうことなのだろう。