読書『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか? 』Ⅲ

いよいよ労働組合の出番だ。

~個人で話し合っても解決できない状況を集団的に行われる団体交渉へと変質させることが、労働組合の意義なのだ。~

端的に、簡潔に表現している。職場での問題点を、個人がどれだけ管理職に訴えてもだめだ。時間の無駄だと思う。だが、労働組合が掛け合えば状況は全く変わってくる。問題点を整理し、そして要求をする。個人ではなく、組合が要求し、組合が回答を得るのだ。だから交渉こそが、組合の活動の中心だと言える。

~日本の労働組合は、じつは「企業別組合」という特殊な組織の在り方が一般的であり、社会性が乏しく、勢力も弱い。~

だいたいこのあたりで組合といったら、学校単位の組合である。まさに企業別組合に当たる。私は「御用組合」と呼んでいる。闘争の「と」の字もない。ただの仲良しグループだから、社会性もない。

私はその系列には所属していない。そこをぬけて10年以上になる。自分の労働条件を改善したくて、小規模だが、職種別組合に入ったのだ。今は幹部もやらせてもらっている。

~世界中どこの国でも、労働組合は重大な政治的、経済的、社会的、法的役割を担っている。だが、ほとんどの日本人はそのことを実感できていない。~

企業別組合が幅を利かせているのだからその通りだ。

市民社会の権利行使においては、労働組合は「プラスアルファ」ではなく、「前提」なのだとすら言ってよい。~

要するに、ほとんどの人が、権利行使しようなどと考えていないのだ。勤務時間も度外視して奉仕奉公しているのだから。(R4.2/10記)