映画『はりぼて』

はりぼて (2020) 監督 五百旗頭幸男 砂沢智史

この日はファーストデー。まじめに勤務時間終了まで働き、隣市の映画館に向かう。某サイトの評価が高いので、ずっと楽しみにしていた作品である。

富山市義会議員が政務活動費を不正に使い込み、たくさんの議員が辞職した問題についてのドキュメンタリー映画だ。なにせドキュメンタリーだから、役者も迫真に迫る演技だ。というか本物だ。

月収を10万円上げてほしいという派閥の重鎮は、問いただす記者たちを弁舌軽やかに言いくるめてしまう。まっすぐとした瞳で、何の疑いもなく、よくもまあこんなに饒舌に。しかし動かぬ証拠を突き付けられると失踪。そして無精ひげを生やしただらしない姿。こんな生き方はしたくない、と心底思った。

どんな同情を買いたいのか、背を丸め、すがるような涙目で話す市の職員。結局、組織ぐるみで不正を行っているのだ。頭を下げるのもいやだけど、言い訳をして、自分を正当化しようとする姿も情けないな。

こういう映画を観て、襟を正そう。苦いものはいやだけど、甘い汁を吸おうとしてはいけない。